geopandasとplotlyの練習がてら、国交省が公開している1kmメッシュ別将来推計人口データを可視化してみました。

【全国版】人口推計(2020~2050)
都道府県 / 年齢(5歳階級) / 将来推計人口(H30国政局推計)
人口推計(2020~2050)
都道府県 / 年齢(3区分) / 1kmメッシュ別将来推計人口(H30国政局推計)

元データの作成は2018年、その元データの原典は2015年国勢調査等なので、当然ながらその後の統計結果とは結果が異なります。
全国の人口推計などのは以下に詳しいです。
日本の将来推計人口(平成29年推計)|国立社会保障・人口問題研究所

さて、ここではとりあえずできあがった図表を眺めながら、全国・都道府県ごとの傾向などを見ていきます。

技術的には特に難しいことはないので(geopandasでshapeファイルを読み込んでplotlyで扱いやすいようにごにょごにょ前処理してgeojsonに出力するだけ)、各ツールの使い方などは別記事で紹介しようと思います。

全国の年齢構成

まずは全国の年齢構成(5歳階級)をみてみましょう。
下の図は2020年から2050年までを予測を積み上げ折れ線グラフで表したものです。

全国の年齢構成 積み上げ折れ線グラフ

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出生数が減っているので全年代で減少していき、2050年の時点でギリギリ1億人台に留まっているという感じですね。

さらに年齢階級ごとの特徴と変化を確認するため、3D人口ピラミッドをみてみます。

全国の年齢構成 3D人口ピラミッド

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2020年(手前側)の左側にある山(70~74歳)が、いわゆる団塊の世代です。
そして2020年から2050年に掛けて背骨のようにのびる峰が団塊ジュニア世代ですね。
一般には団塊ジュニア世代のジュニア、すなわち第3次ベビーブームは幻に終わったとされていますが、図の右側斜面にあるちょっとしたデコボコにその片鱗が見てとれます。

団塊ジュニアと団塊ジュニアジュニア(3世)

以上を踏まえて、改めて折れ線グラフをみてみましょう。
左:団塊ジュニア 右:団塊3世

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団塊ジュニア世代は2020年の1千万人弱から年を経るごとに減少していきます。
それに対して団塊3世世代は600万人強を維持しながら推移していくのが分かります。

こうして見比べてみると団塊3世の山がいかに小さいか実感できますね。団塊→団塊ジュニアにようなブームを当然のように予期していたであろう20年前の政策当局者の困惑は想像に難くありません。

都道府県ごとの総人口・年齢構成

続いて2020年の都道府県ごとの総人口・年齢構成を見ながら気になる自治体をピックアップしてみます。

総人口

下の図は都道府県ごとの総人口のマップです。

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東京が一強なのは言わずもがな、大阪府・愛知県はさすが東名阪に名を連ねるだけはあるといいたいところですが、どちらも神奈川県より少ないんですね…
東名阪以外では九州地方で福岡県が善戦してるぐらいでしょうか。兵庫県は大阪圏に含まれるとして、北海道はいかんせん面積が広いのでなんとも言えません。

こうしてみると、やはり関東圏の存在感が抜きん出ている印象です。
埼玉・東京・神奈川・千葉の1都3県で全人口の約30%を占めているあたり、関東平野の偉大さを感じます。
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0~14歳

以下年齢3区分でも見てみます。
実数ではほとんど総人口と同じようなマップになるので、各都道府県の総人口に占める比率で比較しましょう。

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0~14歳の年少人口の比率が最も高いのは沖縄県で17.1%、最も低いのは秋田県で9.7%です(全国:12.0%)。
全体としては九州地方が高めで東北地方が低めといった印象。
東名阪では愛知県が高め、東京都・大阪府が低めと結果が別れました。

15~64歳

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15~64歳の生産年齢の比率はやはり大都市圏が強いですね。最多が東京都の65.4%、最少はまたも秋田県52.5%(全国:59.1%)

65歳以上

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65歳以上の老年人口は、ここまでくると予想通りというか期待を裏切らない秋田県が最多の37.9%、最少は沖縄県の22.6%でちょうど年少人口と反対の結果となりました。(全国:28.9%)
大都市圏は総じて低めですが、その他の地方ごとの傾向はあまり見られません。

東京都(と近隣3県)

それでは個別の都道府県ごとに見ていきましょう。
まず東京都の3D人口ピラミッドが以下です。

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年少人口が見事な絶壁になっているのが分かります。
折れ線グラフでも見てみましょう。分かりやすくするため60歳未満の年齢階級を表示しています。

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全国の人口で団塊ジュニアと3世の比較で見たように、年齢階級のグラフは一つ若い折れ線を右に(高齢になるにつれて右下に)移動したような形になるのが通常です。
ところが東京都の場合には、0~14歳が固まっていて、ちょっと飛んで15~19歳、さらに飛んで20~24歳、また飛んで25歳以上の固まりというように階級ごとに断絶しています。
これは大学進学での上京、新卒入社での上京、入社2,3年目での異動による上京(?)を表しているものと考えられます。(ちょっと最後が微妙ですが…)
こうして考えると、在京の20歳以上のうち生まれも育ちも東京という人はざっと5,6割でしょうか。そのような状況を指して「東京こそ(地方出身者が集まる)大きな田舎」という表現を聞いたことがありますが、言い得て妙だと思います。

せっかくなので東京都と近隣3県の1kmメッシュ別人口予測(2020年)を作ってみました。
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はい。まぁだからなんだという話ですが、東京が中心なんだなぁ~という話です。
気になる場所があれば個別にご確認ください。

20代から見る沖縄と京都

続いて年少人口割合最多、老年人口割合最少の沖縄県を見てみます。

下図は沖縄県の3D人口ピラミッドです。
左:2020年を手前に見る 右:上から見る

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まず、沖縄ではいわゆる団塊の世代とされる山が2020年時点で65~69歳と、全国に比べて5年ほど遅れている上に大きさも控えめになっています。
そもそも団塊の世代というのが太平洋戦争終戦直後のベビーブームであることを思い出すと、日本で唯一壮絶な地上戦が繰り広げられ、終戦後もGHQ統治下の不安定な社会情勢が続いた沖縄では全国のようなベビーブームは起こり得なかったことは容易に想像がつくでしょう。
沖縄県で老年人口割合が最少となった背景には、出生率が高いことだけでなく、そもそも現在の75歳以上の人の多くが戦死・疎開してしまったという事情がありそうです。

若年層に目を向けると、20~24歳が大きくくぼんでいるのが分かります。
しかも団塊ジュニア世代などのように年を経るごとに高齢になるのではなく、各年での0~24歳できれいにくぼんでいます。
先に見た東京都では同年代で人口流入によって逆にジャンプアップしていましたが、沖縄県では他県へ流出でこのような形になっているのでしょう。
ただし、東京都では同年代から25歳以上の固まりまで増加しているのに対して、沖縄県の同年代は一旦県外に行った後20代後半から30代にかけてUターンで戻ってきているものと考えられます。

このような沖縄県の構成と正反対の傾向を示すのが京都府です。
下図が京都府の3D人口ピラミッドです。

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さすが『大学の街』と呼ばれるだけあって20代前半の存在感が際立っていますが、卒業後は京都を離れていることがよく分かります。

少子高齢化率トップの秋田県

最後に、日本で最も少子高齢化が進んでいる秋田県です。

下図のように20~24歳で県外に流出しているのは沖縄県と同様ですが、秋田県の悲しいところはその流出した人口が戻ることなく推移してしまう点です。
左:(参考)沖縄県 20~24歳で入出した人口は20代後半から30代にかけて戻る
中:2020年に20~24歳の3万人は増えることなく推移する 
右:20~24歳でくぼむ3D人口ピラミッド(赤線:3万人の等高線)

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団塊ジュニア世代の山がほとんどないことから、この傾向は従前から連綿と続いて来たのでしょう。
全国的に少子高齢化の傾向は変わらないとはいえ、足元では地域間の格差がより鮮明になっていきそうです。

後記

元々は1kmメッシュデータの整形・描画にために作図したのですが、気づけば都道府県ごとの傾向を中心に紹介してしまいました。
1kmメッシュマップは地図で見ながら引っ越しの妄想をする分には楽しいんですが、単体のデータとしてみたときに言及すべきことがあまりないですね…
ちなみに私が今住んでる地域は$1km^2$ の人口2万6千人くらいでした。
あなたの地域は何人でしょうか?😁

以上!